芸能界のビジネスモデル!!芸能事務所に入っていないと継続的にテレビ出演できない理由

芸能事務所をやめたり、移籍トラブルを起こしたタレントが、
テレビ出演できなくなることは、
一般の方も知るようになった。
公正取引委員会なども、
大手の事務所やテレビ局への聞き取り調査を行っている。
しかし、
芸能事務所のタレントでなければ、
テレビ出演できないのは、
「芸能事務所」「広告代理店」「テレビ局」の間で行き来する「お金の流れ」に根本的な理由がある。
芸能事務所は、テレビ局のパートナー
テレビ局にとって、番組制作パートナーである「芸能事務所」や「広告代理店」は必要不可欠な存在である。
そことトラブルを起こしたタレントを起用することは、テレビ局や番組制作会社にとって大きなリスクとなる。
テレビ局の売り上げ=「広告代理店・芸能事務所・制作会社が集めたお金」
テレビ番組の運営資金

テレビ番組は、
①記事
②広告
の2つで成り立っている。
①は、何らかの話題性があり、新聞記事に取り上げられたり、ニュースや音楽番組に取り上げてもらうなどといったケース。
いわゆる「パブリシティ」と呼ばれるもの。
出演する側からみれば、お金もかからないし、タダで宣伝してもらえるというということだ。
もうひとつの②は、お金のかかる出演である。
いわゆる「ペイドパブ」である。
有名アーティストなら①のオファーが集まる一方、無名の人物が、テレビで取り上げられることは滅多にない。
そのため、
芸能事務所やレコード会社は「売り出したいタレント」がいる場合、
テレビ番組へ出演させるために、
番組にお金を支払って、出演させていく。
芸能事務所やレコード会社は、このことを「メディア露出させる」といった言い方をする。
テレビ局に入るお金
テレビ局に入るお金は、
・広告主からのお金、つまり「スポンサー料金」
・番組制作会社から支払われる「電波使用料金」
の2つで成り立っている。
反対に、テレビ局から出ていくお金は、
・放送電波免許のための料金で、総務省に支払う金額。
・音楽を使用する際のJASRACへの著作権使用料
などである。
一般的には
芸能人がテレビ出演すると、
「このタレントはどれくらいもらっているのだろう」
と、タレントのギャラばかりが注目される。
しかし、
「売り込みたいタレント」をテレビ番組に出演させるためには、
芸能事務所や広告代理店からテレビ番組関係者への「お金」が支払われているケースが多い。
テレビ出演によって、
芸能事務所が手にするギャラと、
テレビ出演させるために芸能事務所が負担する「お金」の両方が存在するのだ。
芸能事務所からテレビ番組制作会社へ「流れるお金」は、
通常は、「番組制作協力費」や「番組協賛金」などといった品目であることが多い。
音楽番組への出演をめぐるお金の流れ
レコード会社や芸能事務所が、
テレビ出演を実現するために支払うお金については、音楽番組が一番わかりやすい。
音楽番組の場合は、出演者に支払われるギャラは少額であるケースがほとんどである。
音楽番組に出演する歌手やアイドルを抱えるレコード会社や芸能事務所は、
宣伝効果を期待して、番組制作側に「何らかのお金」を支払って出演させている。
反対に番組制作会社やテレビ局は、音楽を放送する際に、JASRACへ著作権使用料金を支払い、
その一部がタレントのギャラとなる。
テレビ局やFMラジオ局の音楽番組において、
CD発売や新曲リリースを予定しているアーティストやアイドルがゲストとして番組に出演するケースでは、
番組の中で、司会が「◎◎さんが遊びにきてくれました」とゲスト出演者を紹介する。
この「ゲスト出演」の場合、音楽番組をめぐって行き来する「お金の流れ」は、次のようになる。
【A】アイドルや歌手のレコード会社もしくは芸能事務所が、音楽番組制作側へ出演料(番組制作協力費などの品目)を払う。
【B】番組から出演者にギャラが支払われる(ノーギャラ、もしくは1万円から5万円程度のギャラであるケースがほとんど)。
【C】番組制作側がJASRACへ著作権使用料金を支払う。
【B】について、世間一般にはあまり知られていないが、
アイドルや歌手の音楽番組出演については、出演料『0円』という協力出演というケースが大部分を占める。
特にゴールデンの時間帯にテレビ放送される音楽番組では、